千年ものずっと昔、まだ私たちが生まれもしていない古(いにしえ)の時代から、ずっと読まれ続ける「源氏物語」という誰もが知っている書物が書かれていました。
その作者はみなさんご存じ”紫式部(むらさきしきぶ)”です。
NHK大河ドラマ「光る君へ」では、紫式部はまひろという名だったという歴史ですすんでいきます。
そんな千年物語の時が過ぎているのに紫式部のことは、ライバルと呼ばれている絶世の美女で有名な、清少納言(せいしょうなごん)より知られる部分が多いのはなぜでしょうか。
その紫式部日記のゆかりの地の京でのことと、越前武生(えちぜんたけふ:現在の福井県武生市)で源氏物語はどう描かれてきたのかを追ってみたいと思います。
ぜひ最後までこのブログにお立ち寄りください。
紫式部日記ゆかりの地の福井県へ行く!大河ドラマ「光る君へ」~千年物語の源氏物語の礎の越前武生をたずねて
2024年大河ドラマで放映の「光る君へ」が映像化に
2024年度のNHK大河ドラマで放送されます「光る君へ」が待ち遠しいですね。(いよいよ2024年1月7日の日曜日、夜8時から15分拡大版からスタートです)
きらびやかな平安の貴族の世の背景を伊東敏恵さんが語り役に、主演は明るく、また透明感のある女優の吉高由里子さんが、主役の紫式部(まひろ)役でドラマは続いていきます。
その取り巻きのキャストには、柄本佑さんが紫式部に一番深いかかわりの藤原道長(ふじわらのみちなが)役で、紫式部のよき父親に岸谷五朗さんが藤原為時(ふじわらのためとき)役です。
その他にも書物「枕草子(まくらのそうし)」で有名な清少納言役にはファーストサマーウイカさん他、紫式部の夫に藤原信孝(ふじわらののぶたか)役に佐々木蔵之介さんや、弟の藤原惟規(ふじわらののぶのり)役の高杉真宇さんに、陰陽師の安倍晴明(あべのせいめい)役にはユースケ・サンタマリアさんなど、まだたくさんの豪華キャストで進行していくようです。
さて、そもそも紫式部という有名人物はどんな人物で、どういう人生のもとに現在にも語り継がれる大作「源氏物語」を書き続けてきたのでしょう。
遡れば、1000年も前のことなので、詳しい詳細ははっきりしていませんが、紫式部は973年に生まれて1031年の正月中期に亡くなったと伝わっています。
この紫式部という呼び名は、今に言うペンネームで藤原為時氏の娘として産まれましたので、”藤原香子(ふじわらのかおるこ)”という名だったといわれます。
また香子の呼び方を”よしこ”という説もあります。
ですが大河ドラマ「光る君へ」では、まひろという呼び名で進行していきます。
父為時氏が貴族として従五位下(じゅごいのげ)の官位を賜る家柄の娘として育ちます。
やんごとなき家柄にふさわしい才を持った女性だったようです。
紫式部と源氏物語の千年物語 紫式部の性格と最良は?
紫式部は雅な中級貴族ではありましたが、その貴族らしく慎ましく、あまり前に出ない控えめな女性だったと伝わってきています。
当時平安の時代は、男性が割烹(かっぽう)する時代で、女性は秀でることはほとんどない頃でしたようで、さながら紫式部は若いころから漢字が支流な世の中ですぐに会得してしまったようです。
中国から伝わる漢字はあまりに画数が多く、民になじみがないと考えられ、日ノ本(ひのもと)で自のひらがなが考えられていきます。
そんなひらがなや、ましては文字や漢字も直ぐ会得する才を持っていたといわれます。
歌人としての和歌に精通していて、貴族をうならせる句を歌われていたといわれています。
有名な紫の和歌には「めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影」という短歌が残されています。
小倉百人一首にある紫式部の歌です。
意味は、「久しぶりにめぐり逢い、見定めのつかないうちに雲間に隠れてしまった夜半の月のように、貴方はあわただしく姿を隠してしまい残念です。」
ということですが、秘めた才能が紫式部にはたくさんあったことが、今も語り継がれている確固たる証拠ですよね。
ちなみに小野小町(おののこまち)の「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」などや時代を経て源実朝(みなもとのさねとも)公の「 よのなかは常にもがもななぎさ漕ぐあまのを舟の綱手かなしも」などの歌も納められています。
思えば中学生の冬休みの宿題で、3つ以上の百人一首の詩を覚えさせられて、3学期早々国語の授業にクラスカルタ取り大会なんてありましたっけ。
その3つが偶然ですが、奇しくも覚えました百人一首の歌が、この三つの紫式部と小野小町と源実朝公の詩でしたね。
話を戻しますとそんな才のある紫式部を見て父為時は、”お前が男として産まれてきておれば”とどんなに思っやもしれません。
時の人となっていく藤原道長(ふじわらのみちなが)公の目に留まり、その道長公の娘の先生役を務めていくまでなっていくのですから、大した女性であったことでしょう。
紫式部ゆかりの地の福井県 越前武生での生活と和紙との出会い
母親は早くから亡くして、父為時氏に育てられた式部は、一条天皇の時代に父為時氏が越前国府の越前守に任ぜられると、京都から共に付いていき今の福井県武生市に移住しました。
当時の雅な平安時代は、あまり娯楽もなく、女性は外にあまり出ずに和歌や書物を読む日々を過ごすのが一般で、もちろんテレビもスマホもない時代ですから、初めて京を出て福井県武生市の暮らしは、見るものが新鮮に感じられたことだと思われます。
京とは違い、山や海があり稲穂が実る自然豊かな土地と、冬景色に彼女はここでの家族や兄弟との暮らしは大変なものでもあり、また心温まるものだったのだと思われます。
この越前での家族との暮らしの頃からが、「源氏物語」が描き始められたと歴史にありますが、これも定かではありません。
ですが、この時代に書物を書くことは、今のように紙は豊富にはなく和紙が支流で、越前にて紫式部は和紙との出会いが、源氏物語を製作するきっかけとなったとされています。
越前は、寒さに厳しくまた清らかな水に育まれた土地柄でありました。
その和紙の原料になる楮(こうぞ)や三椏(みつまた)に雁皮(がんぴ)から白皮が採取できること。
そして、その白皮にとろろあおいから採れるネリという液体を混ぜることで、良質な和紙が造れる技術が、古代より受け継がれていた場所だったのです。
そんな越前武生でのささやかな紫式部の家族との生活が、源氏物語への思考が膨らみ、まひろの筆を進ませたのではないでしょうか。
紫式部公園と紫ゆかりの館 越前の国
入園無料の紫式部公園で、雅な平安時代を再現した庭園に赤橋の太鼓橋があります。
ここで源氏物語が紫式部によって、描かれていた古の地といわれています。
そこに現在は、京の方角を遠目で見続ける金色の紫式部の像がたてられています。
そして、四季折々の庭園風景がここでは楽しめます。
紫式部とその家族たちでおおよそ1年という短い期間ではありましたが、暮らしたこの貴重な場所を今に伝えています。
☎0778435013
営業時間:9:00~17:00(月曜定休)
福井県越前市東千福町369
紫ゆかりの館ではタッチパネルで紫式部のことがわかるパネラーもあり、絵巻物がスクリーンに映像化されていて平安貴族の華麗な背景を見ることができます。
出逢いの庭が正面玄関になり、中に入ると紫式部の和紙人形が失礼ながら後ろ姿でのお出迎えでございます。
唐衣裳装束(からぎぬもしょうぞく)は、平安時代の伝統的な女性に許されたとても雅な衣装です。
次の紫式部の間は紫式部が越前国府で過ごした青春の日々を彷彿させる雅な展示・体験空間です。
その奥には下向行列和紙人形が飾られていて、越前守として越前国へ紫も父為時氏に同行して下向した様子を表しています。
スクリーン映像で上映6分間の「百花繚乱 (ひゃくかりょうらん)紫式部が出会った越前国府」の題名で紫式部の簡単歴史が見れます。
最期はしるべの間は観光案内に物販店になっています。
福井県越前市東千福町21-12
そしてやや北側にいくと武生中央公園には、「光る君へ 越前 大河ドラマ館」もありますので、紫式部館がよりどりみどりです。
入館は9時から17時までとなっています。
当日券:大人(中学生以上)600円 小人(小学生)300円
開催期間は令和7年1月31日までとなっていますので、こちらも期間中いってほしいところです。
〒915-0832 福井県越前市高瀬2ー27ー7ー1
紫式部ゆかりの地の福井県越前市へアクセス
公共交通機関(電車)
・JR名古屋駅~米原駅(東海道・山陽新幹線) 約徒歩1分米原駅~敦賀~JR武生駅(JR北陸本線):約1時間50分 武生駅西口より銀座通りから県道190号線経由で約2.5km徒歩。
・JR京都駅~武生駅(サンダーバード3号特急金沢行:JR西日本):約1時間20分 上記と同じく武生駅西口より銀座通りから県道190号線経由で約2.5km徒歩。
マイカー
・京都東I.C~大津S.A~草津JCT~多賀S.A~米原JCT~賤ケ岳S.A~刀根P.A~敦賀JCT~杉津P.A~今条料金所で下車。
国道365号線を南条方面へ進み、わかりにくいですが、日野川の日野大橋が右にあるのところを左折し、北陸本線を超えた先に公園があります。
*お出かけの際、ETCカードの差し忘れがないことをご確認ください
〇紫式部ゆかりの館に無料駐車場あり。
30台ほど駐車が可能スペースがあります。
福井県越前市東千福町21-12
紫式部と源氏物語の千年物語の原文は?
その後越前からは父より先に約1年で帰京したまひろは、998年に父親ほどの年の差がある山城守(やましろのかみ)の藤原宣孝(ふじわらののぶたか)氏と婚姻します。
そして、999年に娘藤原賢子(ふじわらのかたこ)を出産します。
それはまひろの人生一番の幸せであったと思われます。
しかし、夫の宣孝氏は1001年に病気を患い、3年間という短い結婚生活で亡くなってしまったといわれます。
悲しみに討ちしがれたまひろは、源氏物語を書いていくことで、その夫に先立たれた悲しみを忘れようとしていたのやもしれません。
源氏物語を描いていく紫も、和紙を買うお金に困っていたところに、貴族女子の話題になっていた「源氏物語」が時の上位貴族の藤原道長氏の目に留まり、御所へ呼ばれますが、幾度の催促も断っていました。
人前に出ることをはばかる紫に対して、道長氏の娘の彰子(あきこ)の今でいう家庭教師役に付かせることで、ようやく重い腰をあげさせました。
そのころ京では、一条天皇に仕えさせるため、藤原道隆(ふじわらのみちたか)氏の長女定子の目付け役の清少納言が家庭教師としてつき、虎視眈々(こしたんたん)と一条天皇の本正室とさせるべく書物や勉学、作法を教育し補佐していました。
そこに有名な「枕草子」を清少納言は制作し、書物の教育題材に取り入れたようです。
そこで道長氏も紫式部の才を見込んで、進んで紫の後押しをしていったといわれます。
家庭教師をしながら、藤原道長氏が後ろ盾(いわゆるスポンサー)となり、紫式部は源氏物語の作成を続けることができるようになりました。
源氏物語の原文は、徳川美術館に3巻と五島美術館に1巻が現在保管されてされていて、「国宝・源氏絵巻」も同じく両館にそれぞれ保管されています。
徳川美術館:愛知県名古屋市東区徳川町1017
五島美術館:東京都世田谷区上野毛3-9-25
“宇治市源氏物語ミュージアム”へ紫式部に会いに行こう
1998年に開館されて2008年にはリニューアルされた、紫式部が描いた「源氏物語」の写本の資料が保管されています。
平安の間~架け橋~宇治の間~映像展示室~物語の間と続きます。
映像展示では、「橋姫 女人たちの心の丈」が上映されていて、声の出演に緒方直人さんと白石加代子さん。
そしてもう一つ映像展示「浮舟」には、声の出演に岩下志麻さんと葉月里緒奈さんです。
*制作:ホリヒロシ、監督:篠田正浩
展示ゾーンでは光源氏の邸宅である六条院の模型や実物大の牛車、調度品の複製などがわかりやすく紹介されています。また、体験型展示コーナーではあかりの効果を使って“垣間見”体験や、香りの違いを当てる“源氏香”体験など、平安貴族の華やかな世界観を体感することができます。
開館時間:9:00~17:00
入館料:大人600円/小人300円
定休日:月曜休館(祝日の場合はその翌日休館):年末年始
駐車場:普通車100円(15台分)
宇治市宇治東内45-26
京都宇治には、紫式部の源氏物語「宇治10帖」にゆかりの深い三室戸寺があり、そのブログも投稿がありますので良かったら後で読んでください。
宇治市宇治市源氏物語ミュージアムにアクセス
公共交通機関(電車)
●京都駅~宇治駅(奈良線:各駅)で約25分。
南口(東側)をでて宇治川の宇治橋を渡るとすぐ左にあります。(徒歩約15分)
マイカー
油小路通りを進み、京都外環状線(市道188号)に入り豪川、宇治川方面に進む。
観月橋あたりで宇治川の反対側に入り、241号線(向島宇治線)を宇治川沿いに進む。
宇治橋を渡ればすぐ左方向にあり。(約40分)
【*10円玉に描かれている、平等院も宇治川をはさんでありますので、観光の際はぜひ寄りたいですね】
*お出かけの際、ETCカードの差し忘れがないことをご確認ください
紫式部日記ゆかりの地の福井県へ行く大河ドラマ「光る君へ」 あとがき
紫式部の生誕1000年の時代を経てもなお語り継がれ、歴史に残る文学小説の礎を清少納言と二分し、育んだ女流作家を語るには私事には非常におこがましいところでしたが、つづることで紫式部さんの一つを学ぶことができました。
これからも紫式部はいろんな方に時代を超えて、その人その人の歴史に生き続けていかれるんだろうと思いますね。
そうすることにより数々の紫式部さんの謎が説かれていき、さらに表の顔が見えてくるんでしょう。
あの世であまり私のことをあばかないで~、と叫んでるかもしれませんが、これが有名歴史人の定めとして遠目で見ていてくれたらと思います。
お願いしますよ、まひろ様~。
今回も私のブログに最後までお立ち寄りいただいてありがとうございました。
紫式部と源氏物語の千年物語は「光る君へ」食べ歩き おまけ
紫式部ゆかりの地でランチ ふる里
紫式部ゆかりの地でお食事にお立ち寄りには、式部公園そばの蕎麦屋で「ふる里」があります。
越前市発祥のおろしそばが人気の一品です。
その他にもおろしとろろやざるそば、ざるうどんなどメニュー豊富です。
営業時間:11:00~15:00
☎0465783750
福井県越前市東千福町17−7
紫式部ゆかりの地でランチ 豊萊園
豊萊園(ほうらいえん)の外見が民宿みたいな造りで、何となく親しみを寄せられる佇まいで、中華定番のラーメン、やきめしがあります。
夏期にはハム冷めんにバンバンジー冷麺がメニューにのせられ、冬期はバンバンジー麺がのせられます。
口コミも上々で、辛さの誇る麻婆豆腐に家族連れで来店のお客さんのふーはーいや、ひーはーの声が店内に木魂します。
営業時間:11:00~21:30(火曜定休)
☎0778221454
福井県越前市千福町220
紫式部ゆかりの地でランチ 栄雲堂
朱色と黒に塗られた壁で、平安を感じさせる造りと、1階はガラスで覆われ店内が見渡せる開放的なお店です。
和菓子が主流で水ようかんや栗きんとんなどイートインもできるスペースも確保しており、気に入ったらおみあげに持ち帰りもOKです。
和菓子屋さんなのにどうしてか、わらび餅以外に生菓子のケーキやバナナジュースもあるので、ご年配からお子様も幅広くご利用になっていただけます。
営業時間:9:00~18:00(月曜定休)
☎0778220326
福井県越前市京町1-1-2
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